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ウィンターリゾート郡上 高鷲スノーパーク オープン周辺

荘川桜

岐阜県高山市荘川町中野
車29分(11.63km)
4月下旬~5月上旬
飛騨高山から白川郷へ向かう途中の国道百五十六号沿いに御母衣湖がある。ダムによって堰き止められた湖のほとりには、二本のエドヒガンの巨木が咲き誇る。この桜は、湖底に沈んだ荘川村にあった中野照蓮寺と光輪寺の境内にあった樹齢四百年の桜。昭和三十五年に水没予定地を訪れた電源開発初初代総裁高崎達之助氏は、この二本の桜を目にして、「ありしの日の故郷を偲ぶ桜として、水没からなんとしても救いたい」と願った。そして桜博士の笹部新太郎氏に託す。昭和三十五年、前代未聞の巨木の移植工事は、植木職人など総勢五百人を動員しての大工事が始まったが、大方の予想は悲観的であった。だが翌年、若芽を吹き出し奇跡とまでいわれた移植に成功。移し替えられ湖畔に、しっかりと根を張り、枝を伸ばしていった。以来、毎年春には水没地の村人が、年に一度、満開の下に集まり、桜を眺め宴を開きながら湖底に沈んだかっての村を語りながら偲ぶ。また、この大工事を目にしたバス車掌の佐藤良二は、桜に魅せられ太平洋と日本海を結ぶ国道百五十六号線に桜道を作るのを夢見る。そしてバス路線に十二年間に約二千本の桜を植え続けたが、夢半ば病に倒れ他界、その生き方はテレビや映画にもなるほど。そして、その夢は今でも有志たちに受け継がれ、彼を忘れまいとバス沿線の自治体主催で、名古屋から金沢まで当時のバスが走ったルートを、徹夜で250kmも走り通す「さくら道・国際ネイチャーラン」が毎年、行われているほどである。まさに、男たちのロマンを知りながら、この二本の満開の桜を見上げれば、よりいっそう美しく感じてしまうはず。
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