神奈川県逗子市久木にある曹洞宗の寺院である「岩殿寺(がんでんじ)」。寺院によれば養老5年(721年)に徳道上人が創建し、本尊に十一面観音がまつられているのですが、そちらは行基菩薩が造立して安置したといわれています。鎌倉時代には源頼朝によって寺領が寄進され、鎌倉時代に成立した日本の歴史書「吾妻鏡(あづまかがみ)」には源実朝らがしばしば参詣したと記されているそうです。
岩殿寺は逗子八景のひとつであり、1971年には観音堂が逗子市指定有形文化財に指定されています。後に後白河法皇も参詣されており、江戸時代にはあの徳川家康が境内の整備などを行なったそうです。明治時代には文豪泉鏡花も逗子滞在中に訪れ、岩殿寺を題材に描かれた作品もあるそうです。721年に創建されているので、約1300年の歴史があることになります。歴史上で今でも有名な人たちが通った場所、訪れた場所だと思うと感慨深いものがありますよね。落ち着いていて静かな寺院なので、訪れると心も落ち着くかもしれませんね。観音堂へは階段で登って行くのですが、階段から後ろを振り返ると逗子の街や港も見えるようなので、景色も楽しめます。